【想定外の更新辞退を防ぐ】「派遣社員のキャリア志向」を把握しておくメリット
部署にも業務にも慣れて、順調に就業していると思っていた派遣社員が、契約更新を辞退してしまった、という経験はありませんか。転居や家庭環境の変化等、やむを得ない事情によるケースもあれば、派遣先が事前に対応することで防げるケースもあります。後者を減らすためには、「派遣社員が派遣で働く動機」や「派遣社員の志望するキャリア」を把握しておくことが大切です。
派遣社員の業務傾向と特長
派遣社員は、派遣先の指揮命令の下で、基本的には契約書に定められた範囲で業務を行います。そのため、派遣社員の業務はある程度マニュアル化され、手順の決まったものが多い傾向にあります。正社員と比べると、ジョブローテーションやマネジメント業務への関与は少なく、業務の幅や責任の度合い等が明確に決まっているのが一般的です。
その分、専門性の高い業務に注力しやすい、プライベートに重点をおいた働き方が可能になる、といった特長があります。
派遣社員が志望するキャリア
しかし、全ての派遣社員が継続的に派遣就業を希望しているとは限りません。
図のように、派遣社員が志望するキャリアには、大きく分けて3パターンがあります。
- A:派遣就業で経験を積み、将来は正社員で働きたい
- B:業務や責任の範囲は限定的で構わないが、スキルを高めて成長したい
- C:現状に満足しているため、決められた範囲の業務に従事したい
派遣社員が、A・Bのようなキャリアアップやスキルアップを志望しているなら、業務に変化がなく、今後の成長が望めない場合は、いずれ不満が募って辞めてしまう可能性があります。一方で、Cのように現状維持を望む派遣社員に対して、積極的に新たな業務を任せたり、大きなレベルアップを求めたりすると、派遣契約の継続は難しくなってしまいます。
想定外の更新辞退を防ぐためにできること
もちろん、人材派遣サービスは派遣先でのニーズがあって成り立つものなので、派遣社員にあわせた過度な調整等、業務において常に派遣社員ファーストである必要はありません。一方で、派遣社員が派遣就業を志望する動機やキャリアプランを適切に把握した上で、業務の割振りや今後のスケジュールを検討できれば、長期的で安定した就業につなげることができます。
ちょっとした配慮やコミュニケーションの積み重ねは、離職防止だけでなく業務効率化の観点からも有効です。もし、受け入れている派遣社員の志向性がわからず対応に迷う場合は、派遣会社に相談してみましょう。