【派遣社員の管理】派遣社員を適正に管理するために、派遣先に求められる対応

派遣社員の受入れに関しては、法律によって様々な条件や制約が定められています。今回は、派遣社員の適正な受入れのために派遣先の対応が必要なことを取り上げます。契約担当者の方と指揮命令者の方、それぞれ留意点がありますので、ご確認ください。
派遣契約担当者の方が留意すること
正社員を募集する際は、1年以上受け入れている派遣社員にも周知する
1年以上継続して受け入れている派遣社員がいる場合、派遣先が正社員を募集する際は、業務内容や賃金等の募集情報をその派遣社員に周知する義務があります。
派遣受入れ期間の延⾧には手続き(過半数労働組合等への意見聴取)を行う
事業所単位の派遣受入れ可能期間は最長3年間です。受入れ期間を延⾧するためには、過半数労働組合もしくは代表社員に意見聴取する必要があります。期間制限の延⾧手続きは、抵触日(期間制限を超えて法律に抵触する初めの日)の1カ月前までに行わなくてはいけません。
代表社員に意見聴取する場合は、正しい手続きで代表を選出する
過半数労働組合がなく、代表社員に意見聴取を行う場合、代表社員は「管理監督者ではない」「民主的な方法で選出された者」等の条件を満たす必要があります。したがって、会社が指名した社員等は社員代表としては認められず、その社員に意見聴取を行っても期間延長の手続きが正しく行われたとはいえないため注意が必要です。
派遣契約更新の都度、抵触日と待遇情報を派遣元に通知する
派遣契約締結の際に必要な抵触日と待遇情報の通知は、契約更新の際もその都度行うことが求められます。
指揮命令者の方が留意すること
派遣社員個人単位の期間制限を把握し、抵触日までに対応する
同部署における同一派遣社員の受入れ可能期間は最長3年間です。
抵触日(期間制限を超えて法律に抵触する初めの日)の後も他の派遣社員の受入れは可能です。また、終了した派遣社員が他の部署に派遣されてきた場合も受入れ可能です。ただし、いずれも事業所単位の期間制限延⾧手続きが完了していることが前提です。
妊娠した派遣社員に配慮し、不利益な取扱いをしない
受け入れている派遣社員が妊娠した場合、派遣先には、以下の例のように配慮をする義務があります。
(例)体調に応じた業務の調整
保健指導・検診の時間確保や医師の指導を守るための配慮(休業、時差通勤、時短勤務等)
また、妊娠を理由に派遣社員の交代を依頼する、雑務のみに従事させる等、不利益な取扱いは禁じられています。
派遣元の求めに応じ派遣社員の業務状況等の情報提供に努める
派遣元による派遣社員のキャリアアップ措置が適切に講じられるよう、派遣元の求めに応じて派遣社員の業務遂行状況等の情報提供が求められます。WDBでは、定期訪問でヒアリングさせていただいた情報を派遣社員への指導に活用しています。