【派遣社員の受け入れ準備】派遣社員の受け入れで派遣先に求められる対応

派遣社員の受け入れにあたって、派遣先に対して求められることがあります。事前にポイントを押さえ、準備しておきましょう。

派遣社員の就業条件を関係者に周知する

派遣先は、労働者派遣契約(個別契約)で定めた範囲を超えて派遣労働者を指揮命令することはできません。派遣社員の業務に関係すること(担当する業務の内容や勤務日数、勤務時間や残業対応の可否等)を関係者に周知するようにしてください。特に指揮命令者は、契約書に記載された内容を必ず理解しておく必要があります。
派遣社員によっては、勤務時間等が派遣先の社員と異なる場合があります。周知されていなかったことでトラブルが起こらないように、派遣社員と関わる機会が多い方には確実に派遣社員の就業条件を周知してください。

受け入れ時に説明会等を実施して派遣社員に必要な情報を伝える

1. 福利厚生について

派遣先は、派遣先の社員が通常利用する食堂・休憩室・更衣室等について、派遣労働者に対しても利用する機会を与えなければなりません。これらの施設の利用方法を事前に説明しておく等、派遣社員も利用しやすいように配慮することが大切です。

2. 苦情の処理について

派遣先は、派遣労働者の受け入れに際し、派遣労働者の苦情の申出を受ける方や派遣先において苦情の処理をする方法、派遣先と派遣会社との連携を図るための体制等を派遣労働者に説明するよう義務付けられています。

3. 円滑かつ的確な就業のための説明・助言

派遣先の社員との業務上の関係や職場生活における留意点(設備利用上の注意点や職場特有のルール等)について説明・助言を行います。

関係者を紹介する

派遣社員に、派遣先責任者や指揮命令者、所属する部署の社員等、関係者を紹介します。指揮命令者の代理がいる場合は併せて説明してください。

設備・フロアを案内する

実際に業務を行うスペースの他、会議室や休憩室、食堂等、利用する可能性がある施設を案内します。緊急時の非常口、非常階段、避難経路等も説明してください。

職場特有のルールを共有する

出退社時の対応や更衣室の利用方法、欠勤時の連絡方法等、理解しておくべきルールを共有します。事務用品や用紙等の備品についても利用ルールを伝えてください。

業務内容を説明する

具体的な業務内容について説明します。このとき、派遣先の組織全体における業務の流れや所属する部署の役割、派遣社員が担当する業務の目的を説明しておくと、業務の理解が進みやすくなります。

派遣社員の業務遂行に必要な教育訓練を実施する

業務の遂行に必要な能力を付与するための教育訓練について、派遣先は派遣社員に対し、派遣先の社員と同様の訓練を実施することが義務付けられています。教育訓練実施後は、その日時や内容を派遣先管理台帳に記載し、派遣会社に報告してください。
また派遣会社が行う教育訓練や派遣社員の自主的な能力開発については可能な限り協力する等、便宜を図るよう努めてください。