【ミスマッチを防止】派遣受入れでのミスマッチや受入れ後の苦情を防ぐには

派遣受入れに際してミスマッチを防ぐには、派遣会社との情報共有が非常に重要です。このページでは、ミスマッチを防ぐためにできることをご紹介します。
ミスマッチを防ぐには
派遣社員を受け入れた後に「思っていたよりもスキルが足りない」と感じたり、逆に派遣社員から「こんな業務があるとは聞いていなかった」といった苦情を受けたりしたことはありませんか。
労働者派遣法では、派遣先が面接をして派遣社員を選考する行為が禁じられているため、基本的には派遣会社が人選した派遣社員を受け入れることになります。そのため、このようなミスマッチを防ぐには、派遣社員を受け入れる前に、派遣会社と入念な打ち合わせを行うことが肝要です。
派遣会社に伝えておくべきこと
派遣社員が実際に担当する業務や、そのために必要なスキル・経験、使用する機器や求めるレベル等を、派遣会社に漏れなく正確に共有することが大切です。
例えば、業務でExcelを使うなら関数やマクロ等をどの程度使いこなせるのが望ましいか、実験業務であれば、使用する装置や必要な知識、分析する対象等をできるだけ具体的に伝えてください。主たる業務だけでなく、それに付随して行う業務もリストアップして共有しましょう。業務量に関わらず、全ての業務を箇条書きにする方法も効果的です。以下に実験補助業務と経理業務の例を挙げますので、参考にしてください。
例1:実験補助業務
「実験補助ができる人」「HPLCでの分析経験が必要」といった大まかな情報ではなく、実際に担当する業務の詳細、指導体制や手順書の有無についても派遣会社に共有しましょう。
主要業務
飲料水のHPLC分析の補助
- サンプルの受入れ
- 前処理、溶液調製
- 分析データの入力
※手順は決まっています。
付随する業務
- 実験後のガラス器具等の洗浄
- 実験室の定期清掃、ゴミ捨て
- 共同研究先からの訪問者に対する接客対応
使用する分析機器
- HPLC(島津製)
求める経験・スキル
- 丁寧な指導があるので、HPLCのブランクがある人でも定量器具の扱いができればOK
- 基本的なPC操作(Excelへの数値の入力等)
注意事項
サンプル処理や洗浄等、一定時間の立ち仕事あり
例2:経理業務
「経理の経験者、簿記3級程度あればなお良い」という抽象的な内容ではなく、日常的に行う業務や月末月初・期末等、決まった時期に対応する業務等をできるだけ具体的に共有しましょう。
日次業務(日々のルーチン業務)
- 現金出納管理、預金管理
- 仕訳入力、伝票処理、経費精算
- 売掛金(売上代金の入金管理)および買掛金(仕入代金の支払い管理)の記録・管理
- 請求書や領収書の処理、ファイリング
月次業務(月末月初に行う業務)
- 月次決算のサポート業務
- 仕訳・勘定科目の確認
- 給与計算、社会保険手続き
年次業務(年間で行う業務)
- 年次決算のサポート業務
- 税務申告関連のサポート
付随する業務
- データ入力、資料作成、ファイリング
- 電話対応、来客対応
- 事務所の清掃(社員と一緒に対応)
求める経験・スキル
- 経理関係の実務経験1年程度
- コミュニケーション能力
- Excelの基本的なスキル
※四則演算、基本的な関数(SUM、VLOOKUP、IF、COUNTIFS)等
スキルのミスマッチや「聞いていた業務と違う」「そんな作業があるとは知らなかった」といったトラブルを防ぐには、派遣会社と適切に情報を共有し、連携を取ることが欠かせません。
契約書類の「業務内容」欄には全ての業務を細かく記載することはできないため、主な業務を要約して記載することになります。そのため、派遣会社から派遣社員に対して、就業開始までにできるだけ具体的に事前説明を行うこと、派遣社員がその内容をきちんと理解した上で就業をスタートすることも、ミスマッチを防ぐためには重要です。