「労働契約申込みみなし制度」とは?
「労働契約申込みみなし制度」とは、派遣先で違法派遣が行われた場合に、派遣先が派遣社員に対して、直接雇用の労働契約を申し込んだものとみなされる制度です。そのため、派遣先は制度の内容を正しく理解しておく必要があります。
「労働契約申込みみなし制度」とは
「労働契約申込みみなし制度」とは、派遣先が労働者派遣法に違反して派遣社員を受け入れた場合に、派遣先が該当の派遣社員に対して、直接雇用する旨の労働契約の申込みをしたとみなされる制度です。この制度が適用されると、派遣社員が直接雇用を希望した場合、派遣先は断ることができません。
複数の派遣社員を受け入れている場合は、多くの派遣社員を一度に直接雇用せざるを得ない可能性もあるため、注意が必要です。
「労働契約申込みみなし制度」が適用される違法派遣
この制度は、主に以下のようなケースに適用されます。
なお、労働契約の申込みがあったものとみなされた場合は、その後、派遣先が違法状態を脱したとしても、みなし申込みが行われた日から1年間、その申込みは有効とされます。
1.派遣受入れの期間の制限に違反した場合
労働者派遣法では、派遣社員を受け入れられる期間に制限が設けられています。そのため、派遣先には自社の受入れ状況を把握し、期間制限を遵守する責任があります。派遣会社に管理を任せきりにせず、自社でも派遣受入れ期間を把握し、適切に管理することが大切です。
2.偽装請負等、派遣社員を違法な状態で受け入れていた場合
請負では、原則として請負会社が自社の従業員に対して業務指示を出し、労務管理を行います。一方、労働者派遣では、派遣先が派遣社員に指揮命令を行います。この違いを理解しないまま、現場の担当者が請負会社の従業員に直接指示を出していると、意図せず偽装請負と判断されることがあります。
特に、現場の担当者が契約形態を十分に把握していない場合は注意が必要です。派遣先の人事・労務担当者だけでなく、現場の管理者も業務指示や管理方法が契約形態に適しているかを確認しておきましょう。
3.労働者派遣事業の許可を受けていない事業所から派遣社員を受け入れた場合
労働者派遣事業を行うには、厚生労働大臣の許可が必要です。派遣先は、取引をしている派遣会社が、労働者派遣事業許可を取得しているか、過去に行政指導で是正勧告を受けていないか等を、事前に確認しておくことが大切です。詳細は以下をご確認ください。
4.派遣が禁止されている業務に派遣社員を従事させた場合
労働者派遣法では、港湾運送業務、建設業務、警備業務、医療関係業務等の労働者派遣は禁止されています(医療関係業務については、紹介予定派遣および休業する労働者の代替の場合は派遣可能)。該当する業務を行う企業は、派遣の可否や例外規定の適用条件を事前に確認し、法令に沿って人員を配置する必要があります。
特に注意すべきポイント
偽装請負は、どのような状態が違法なのかを現場サイドが十分に認識しないまま、請負会社の従業員に指示をしている場合があるため、特に注意が必要です。偽装請負は無許可の派遣元からの受入れと併せて問題となることが多いため、両者に留意しつつ、契約内容と実際の運用に問題がないかを定期的に確認することが肝要です。